ビオトープとは

ビオトープ(Biotop、ドイツ語)は、バイオトープ(biotope、英語)とも表記し、生物群集の生息空間を示す言葉です。

日本語でもカタカナのまま用いられることが多いが、訳する場合は生物空間もしくは生物生息空間とするのが良いと思います。
語源としてはギリシア語からの造語で、「bio(いのち)+topos(場所)」からきています。

より自然環境に近いビオトープを作るためには生態系や造園等の専門知識が必要になります。
しかし、個人が小さな環境でプチビオトープとして楽しむ事は可能です。

庭などをビオトープにして、自然の美と生態系が融合した人工の庭とは思えない景観をつくり出すことも出来ます。

大自然の美しい景観や生態系の物質循環の仕組を人工的に作り、その仕組みを学ぶのもビオトープといえます。

都会のマンション暮らしの方などは、ベランダに置いた鉢やプランターでビオトープを作る事が可能です。庭をお持ちの方は、小さな池を作ればそこがビオトープと成ります。

ビオトープと教育機関

日本では1990年代から環境共生の理念のもとで、環境改善の意味合いでビオトープの名を冠した事業が行われるようになってきました。

自然生態系全体を維持する必要が次第に認識されてきたのである。ただしドイツで生まれた概念であるビオトープをいつだれが日本にもたらしたのかはよくわかっていない。

平成元年度からの旧建設省の多自然型川づくりの推進や河川法の改正により、自然保護や教育の観点からもビオトープという考え方は一般に浸透していくことに成ります。

一般家庭では、園芸店などでビオトープセットと称して単なる水草栽培セットを庭などに設置したり、学校ではメダカなどを浅い池に入れて「田んぼビオトープ」と言って教育に使ったりしているところも出てきました。

現実的には「ビオトープ」と称するには少々無理があるのだが、自然生態系の観察モデルとして自然環境の成り立ちとそのシステムを学ばせるための学校教育として増えてきています。

生物の保護

生態系の保護は昨今の時代の流れで、その活動は政府レベルから市民運動のレベルまで様々で多岐に渡ります。

ビオトープはこれらの活動と平行する形で普及してきた概念で、両者は密接な関係にあります。

しかし、様々な誤解やビオトープの概念が難しいことと相まって、本来のビオトープ概念には該当しない、あるいは矛盾する活動も多く見受けられるのも事実です。

ホタル、トンボ、ツバメ、メダカ、アユなど象徴種として守ろう、という「ビオトープ保護活動」というものがありますが、それらを保護する事がビオトープ概念の全てとは言えません。

ビオトープの考え方では「固定の種のみ」を保護する事は不可能で、その種が生息する環境・生息空間全てを保護する必要があります。

現実の問題として「生息する環境・生息空間全てを保護する」ことは不可能なのは容易に想像がつきます。

特に個人が小規模で行なうビオトープでは生態系に与える影響はほとんどないのが実情だと思います。

それでも、ビオトープの概念を勉強し理解することは広い意味では有意義な事だと思います。

メダカ

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