ヘラクレスオオカブトの飼育を始める前にチェックしておきたい項目があります。
チェック1:飼育環境の確認
ヘラクレスオオカブトは丈夫な昆虫ですが、日本の気候とは随分と違う環境で生息している昆虫です。
国産カブトムシと同じ感じでは、飼育することは無理な昆虫であることをまず認識しておいた方が良いと思います。
まずは、飼育には温度管理が必須条件となります。
幼虫、成虫と飼育温度を25度前後を上限に20度ぐらいでの飼育が理想の飼育温度となります。日本の気温で夏場の30度以上は危険ゾーンに突入して☆になる確率が高くなります。
幼虫は少しは高めの飼育温度でも何とか大丈夫かも知れませんが、成虫は即☆に成ると考えて良いと思います。
この飼育温度をクリアーするのが、ヘラクレスオオカブトを飼育する上での「最低条件」となります。
チェック2:飼育スペース
ヘラクレスオオカブトは幼虫から成虫まで、国産カブトムシとは比べられないほどの飼育スペースを必要とします。
特に♂の場合は「格好悪い小型の個体」を羽化させるなら小プラケースか中プラケースでも飼育は出来ます。しかし、ヘラクレスオオカブトを幼虫から飼育している人は「大きく胸角の長いカッコいい固体」を羽化させたいと考えるのが普通だと思います。
その場合は、幼虫時期から十分な広いスペースでストレスを軽減した飼育が必須条件となるので♂幼虫1頭に対して30L前後のスペースは確保するのが理想となります。そう考えるとヘラクレスオオカブトの飼育に用意できるスペースから何頭の幼虫が飼育可能か計算できると思います。
衣装ケース(大)で多頭飼育する方法もありますが、その場合でもけっこうなスペースが必要になるのは想像がつくと思います。
まして、数亜種を飼育するなら「昆虫部屋」を確保しないと飼育は無理だと思います。
チェック3:幼虫OR成虫
幼虫飼育と成虫飼育では多少飼育環境に違いがあります。温度管理とも関係してきますが、成虫の場合は飼育温度が低くなれば活動も鈍り、飼育スペースも狭く出来ます。20度以下(18度前後)まで飼育温度が下げられればあまり動かないので中プラケースでも飼育可能になります。
逆に25度ぐらいにもなると活発に行動するのでプラケースでも狭いぐらいになります。♂の大型などは衣装ケースでの飼育にする場合もあります。あまり高い温度での飼育は寿命も縮めるのでお勧めはしません。
幼虫の場合も飼育温度に対しては、成虫よりも神経質になる必要はないと思いますが、♂の幼虫を大型にしようと考えているなら飼育温度に関係なく広いスペースを用意した方が良いと思います。
飼育温度が低くなると幼虫も行動が鈍くなるのでマット交換の回数も減らす事が可能です。(マット自体の劣化も遅くなるので交換期間は遅らせます)
その他、細かくチェックしていくと沢山の項目が出てきますが、まずはこの3点のチェックは最低限して飼育を始めた方が後のトラブルを回避できると思います。